交通事故で後遺障害が認定された場合の慰謝料の相場と計算方法

公開日:2018-05-10 |最終更新日:2022-10-12

弁護士やまケン

弁護士 山﨑 賢一(東京弁護士会所属)

1989年4月に弁護士登録。通称「やまケン」。全国各地からご依頼をいただき、年間ほぼ100件以上の交通事故事案を完全成功報酬型弁護士費用特約のご利用で解決に導いています。当コラムでは、交通事故の被害に遭われた方に役立つ基礎知識を共有できればと思っています。

交通事故の後遺障害慰謝料の相場と計算方法

交通事故の被害者になった場合、交通事故によって必要となった「入通院の費用」、交通事故によって給料が減額された場合や主婦であれば家事ができなかった場合には「休業損害」を請求できることはもちろんですが、そのほかに「慰謝料」も請求することができます。

慰謝料には、入通院の期間・通院回数に基づいて計算される「傷害慰謝料」と、症状固定後、自賠責保険への認定請求によって、後遺障害が認定された場合に請求できる「後遺障害慰謝料」の2種類があります。

今回はそのうち「後遺障害慰謝料」について説明します。

後遺障害慰謝料の基準について

後遺障害慰謝料には「自賠責保険基準」と「裁判基準」の2つの基準があります。
この2つの基準の他に「任意保険基準」という名称のものもありますが、任意保険の基準は任意保険会社の社内での基準であり、法律的には意味のない基準です。

自賠責保険基準による後遺障害慰謝料

自動車損害賠償保障法施行令には1級から14級までの後遺障害等級が定められており、等級により後遺障害慰謝料の額が異なります。

その金額は以下のとおりです(なお、後遺障害が認定された場合には、後遺障害慰謝料とともに、等級に応じた逸失利益も支払われますので、後遺障害慰謝料に逸失利益を加えた総額を()内に記載します)。

等級 後遺障害慰謝料
第1級 1150万円(3000万円)
※介護を要する場合は下記
1650万円(4000万円)
第2級 998万円(2590万円)
※介護を要する場合は下記
1203万円(3000万円)
第3級 861万円(2219万円)
第4級 737万円(1889万円)
第5級 618万円(1574万円)
第6級 512万円(1296万円)
第7級 419万円(1051万円)
第8級 331万円(819万円)
第9級 249万円(616万円)
第10級 190万円(461万円)
第11級 136万円(331万円)
第12級 94万円(224万円)
第13級 57万円(139万円)
第14級 32万円(75万円)

裁判基準による後遺障害慰謝料

自賠責保険基準は交通事故の被害者保護のための最低の基準ですので、弁護士が交渉する場合は、次の裁判基準による慰謝料を使用します。

裁判基準による後遺障害慰謝料は民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(通称「赤い本」)に以下のとおり定められています。

等級 後遺障害慰謝料
第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

裁判基準による逸失利益

自賠責保険基準による逸失利益は、後遺障害の等級により一律に定められていますが、裁判基準による逸失利益は、それぞれの事例の内容により個別に計算するので一律の金額とはなりません。

ですので、事例を精査しないかぎり、逸失利益の金額を示すことはできません。

後遺障害が認定された場合に請求できる症状固定後の損害

交通事故で後遺障害が残ってしまった場合の症状固定後の損害について、ご説明します。

症状固定後の治療費

後遺障害は、その障害が将来的に回復の見込みがないという理由により認定されるものですから、症状固定後の治療は基本的に無意味となり、交通事故との因果関係が認められず、症状固定後に治療を受けたとしても、その治療費の請求は認められません。

症状の改善は見込めないとしても、保存的治療としては必要であったとして、症状固定後の治療費を認めた裁判例もありますが、ごくまれな事例と言えましょう。

将来の手術費

症状固定後であっても、将来、手術や治療が必要であると合理的に認められる場合には、その手術や治療にかかる費用が損害として認められる場合があります。

たとえば、歯のインプラントは、一生涯もつものではなく、一般的に耐用年数が10年程度とされており、10年ごとに、平均余命中に必要な回数の手術費を認めている裁判例があります。

将来の介護費

後遺障害の内容によっては、付添介護が必要となります。

その場合には、将来必要な介護費用が損害として認められます。その期間は、平均余命に基づいて算定されます。

将来の装具や介護用品などの購入費

義手、義足などにも、耐用年数がありますから、インプラントと同様に、耐用年数及び平均余命に応じて、必要となる購入費用につき損害の請求が認められます。

人工呼吸器、車椅子などの購入費用も同様です。

後遺障害が認定されたら弁護士にご相談ください

以上が、交通事故で後遺障害が認定された場合の慰謝料などに関する概要です。

上記内容には、一般の方には理解することが難しい内容も含まれておりますので、交通事故で後遺障害が認定された場合には、必ず弁護士にご相談ください。ご相談いただくことで、被害者の方に不利な示談を避けることができます。
なお、当弁護士の相談料は無料となっておりますので、被害者の方のご負担はありません。お気軽にご連絡ください。

また、交通事故による損害賠償請求をご依頼いただいた場合でも、当弁護士の交通事故事件の報酬は完全出来高報酬制を採用しておりますので、ご依頼いただいたことにより、費用倒れになることは一切ありませんのでご安心ください。

完全出来高報酬制の内容については、このホームページにて詳しく説明させていただいておりますのでぜひご覧ください。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。