交通事故で請求できる慰謝料について

交通事故の被害者になった場合、加害者に交通事故によって必要となった医療費、会社を休んだことによって生じた休業損害を請求できることはもちろんですが、それらとは別に慰謝料を請求することができます。

慰謝料には、入通院の程度によって請求できる「傷害慰謝料」と、治療終了後、後遺障害が認定された場合に請求できる「後遺障害慰謝料」の2種類があります。

今回はそのうち「傷害慰謝料」の計算方法について説明します。

傷害慰謝料の計算基準について

傷害慰謝料には「自賠責保険基準」と「裁判基準」の2つの計算基準があります。
その他に「任意基準」という名称のものもありますが、この基準は任意保険会社が独自に定めたものであり、法的な基準とはなりえません。

自賠責保険基準による傷害慰謝料の計算方法

入通院1日につき4,300円となります。

たとえば、入院5日、その後の通院期間が30日であれば、次のとおりです。
4,300円×(5日+30日)=150,500円

但し、入院日数と実通院日数の合計を2倍して、その日数が入通院期間に満たない場合は、その日数を基準とします。

たとえば、上記の場合に実通院日数が10日の場合は、次のとおりとなります。
4,300円×(5日+10日)×2=129,000円

なお、上記計算による慰謝料と医療費、休業損害などを合算して120万円を超えてしまう場合は、超えた部分の慰謝料は自賠責保険では補償されません。

自賠責保険基準は交通事故の被害者保護のための最低の基準ですので、弁護士が交渉する場合は、次の裁判基準による慰謝料を使用します。

裁判基準による傷害慰謝料の計算方法

民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(通称:赤い本)記載の表により算定します。
表には別表Ⅰと別表Ⅱがあります。

別表Ⅰは、怪我が骨折等で、むちうち症・打撲以外の怪我の場合に使用します。
別表Ⅱは、怪我がむちうち症・打撲の場合に使用します。

①怪我が骨折で、入院期間1ヶ月・通院期間4ヶ月の場合には、傷害慰謝料は、別表Ⅰの入院1ヶ月と通院4ヶ月が交わるところの130万円となります。
なお、実通院日数が少ない場合には、実通院日数の3.5倍を通院期間とする場合があります。

入通院慰謝料 別表Ⅰ

(単位:万円)

  入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院   53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346  
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344    
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341      
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338        
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335          
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332            
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326              
13月 158 187 213 238 262 282 300 316                
14月 162 189 215 240 264 284 302                  
15月 164 191 217 242 266 286                    

②怪我がむち打ち症で通院期間6ヶ月の場合は、傷害慰謝料は、別表Ⅱの通院期間6ヶ月の89万円となります。
なお、実通院日数が少ない場合には、実通院日数の3倍を通院期間とする場合があります。

入通院慰謝料 別表Ⅱ

(単位:万円)

  入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院   35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229  
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225    
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219      
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214        
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209          
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204            
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200              
13月 120 137 152 162 173 181 189 195                
14月 121 138 153 163 174 182 190                  
15月 122 139 154 164 175 183                    

交通事故の被害者になった場合の傷害慰謝料に関する注意点

交通事故の被害者になった場合には、まずは治療に専念することになりますが、前記の通り、治療日数が少ないと、傷害慰謝料の金額に影響を与え、本来請求できた金額より少なくなってしまう場合があります。

ですので、怪我が骨折等の場合は、実通院日数を3.5倍した日数が、通院期間より多くなるように通院してください。

むち打ち症・打撲の場合には、実通院日数を3倍した日数が、通院期間より多くなるように通院してください。

また、通院と通院の間を1ヶ月以上開けてしまうと、1ヶ月開けた後の通院は交通事故とは関係のないものとして、補償の対象とならないものとして扱われますので、絶対に1ヶ月以上開けないでください。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴32年。交通事故取扱開始から18年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2020年末で累計1,808件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2021年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高制」で、交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。