後遺症事例60
示談金増加額 約210万円
自転車で交差点を直進中、右折車にはねられ肋骨骨折等の重症を負った交通事故事例(後遺障害9級)
当初提示額
9,890,186円
最終示談額
12,000,000円
交渉後の増加額
2,109,814円
傷害状況
脳挫傷、肺挫傷、
多発肋骨骨折ほか
後遺症認定
後遺障害9級10号
治療期間
約7.6ヶ月間
解決方法
交渉による示談
交渉期間
約2ヶ月間
交渉のポイント
入通院慰謝料(傷害慰謝料)、後遺障害慰謝料
交通事故の概要
埼玉県北本市内の路上を自転車で走行中、交差点を青信号で直進していたところ、右折してきた自動車にはねられて負傷した交通事故事例です。
なお、このようなケースの過失割合は、基本的には90:10なのですが、本件においては、被害者が高齢であるため、-10%の修正となり100:0(被害者の過失なし)となりました。
この交通事故により、自転車側の被害者Sさん(74歳・男性/無職)は、急性期の病院に入院し、その後、回復期リハビリテーション病棟に転院されています。
医師から診断された傷病名は、脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、急性硬膜下血腫、および多発肋骨骨折・肺挫傷で、症状固定まで約7.6ヶ月の入院治療を要しました。
被害者Sさんは、症状固定を迎えてもなお「疲れやすさ、バランスの悪さ」等の自覚症状が残り、担当医からも「左不全麻痺・協調運動障害・平衡障害」、「注意障害・遂行機能障害」等が残ると診断されたため、相手方保険会社を通じて、後遺障害等級認定請求を行いました。
その結果、高次脳機能障害や身体性機能障害等が残存し、その障害程度については、提出資料や自覚症状を総合的に評価すると「神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」とされ、後遺障害9級10号が認定されています。
交通事故以前、被害者Sさんは一人暮らしをされていましたが、交通事故後は転倒する危険があるため、階段のある自宅へは戻ることが出来ず、サービス付き高齢者向け賃貸住宅への入居を余儀なくされました。
後遺障害9級が認定された後まもなくして、被害者Sさんのもとに、相手方保険会社から示談案の計算書が届きました。
その金額が妥当なものかどうか不安になった被害者Sさんのご家族が、交通事故を専門分野とする弁護士をインターネット検索で探され、当弁護士への無料相談をご利用いただくこととなりました。
また、被害者Sさんはご加入の任意保険に弁護士費用特約を付加しておらず、弁護士費用の負担についても不安に思われていました。
当弁護士の料金プラン「完全出来高制」は、示談金が増額した分の一定割合だけが弁護士費用となります。そのため、費用倒れの心配が一切ない旨をご説明したところ、被害者Sさん・ご家族ともに安心され、ご依頼に至っています。
※弁護士費用特約とは、交通事故の被害者となって弁護士に示談交渉を依頼した際の弁護士報酬等を保険会社が負担してくれる特約です。
弁護士交渉〜介入から解決まで〜
【弁護士介入】
被害者Sさんのご家族からご相談を受け、当弁護士が相手方保険会社の提示内容(計算書)を検討したところ、相手方保険会社の提示額から、それなりの増加が見込めるケースと判断致しました。
本件で問題となる項目は、傷害慰謝料(入院慰謝料)および後遺障害慰謝料です。
当弁護士は、被害者Sさんから依頼を受け、委任契約を交わした後、相手方保険会社(加害者側)との示談金増額の交渉を開始いたしました。具体的な交渉経緯は以下のとおりです。
【相手方保険会社の当初提示額】
入通院慰謝料…1,992,100円(相手方保険会社の任意基準です。)
後遺障害慰謝料…4,000,000円(相手方保険会社の任意基準です。)
後遺障害に伴う逸失利益…3,898,086円(相手方保険会社の任意基準です。)
合計金額 9,890,186円
【当弁護士の請求額】
当弁護士が相手方保険会社に請求した内容は以下の通りです。
入通院慰謝料…2,770,000円(裁判基準です。)
後遺障害慰謝料…6,900,000円(裁判基準です。)
後遺障害に伴う逸失利益…3,898,086円
合計金額 13,568,086円
※裁判基準とは「弁護士基準」と同様のものです。
【示談成立・解決】
示談金増額交渉の結果は以下の通りです。
合計金額 12,000,000円
⇒増加額 2,109,814円
【弁護士から一言】
示談結果には個別の項目の金額がありませんが、それは、相手方保険会社が個別の項目に対しての回答をせず、当方の提示に対して、「1,200万円以上は出せない」という金額だけの回答をしてきたという珍しいケースであったからです。
また、後遺障害に伴う逸失利益については、相手方保険会社の提示通りですが、被害者Sさんは交通事故当時無職でしたので、法律的には、逸失利益はなく、400万円近くの金額を認定してくれただけでありがたいという事情があります。
相手方保険会社の提示には、不満もありましたが、裁判で争えば、逸失利益は認定されませんから、徹底的に争うことは不能でした。
その点を、ご依頼者に説明したところ、ご納得いただけたため、1,200万円(当初提示額の約1.2倍)にて示談となりました。
本件のご依頼者は埼玉県内にお住まいでしたが、被害者自身は治療、ご家族はお仕事等でご多忙のため、一度も当事務所までお越しいただくことなく、電話やメール、郵便のやりとりで解決に至っています。
また、無料相談時に、事務職員が被害者の方々から聴き取りを行う法律事務所もありますが、当事務所では、弁護士が直接お話を伺っています。
弁護士が直接お話を伺うことで、問題点を正確に把握し、早期解決へと導けるよう心掛けております。
交通事故の被害者ご本人やそのお身内・関係者の方々からのご相談は、全国対応かつ何度でも無料ですので、お気軽にお問い合わせください。