交通事故で積載物が破損してしまった場合はどこまで請求可能か

交通事故で積載物が破損してしまった場合はどこまで請求可能か

交通事故にあった直後は、自分の身体や車両自体の損傷に気を取られて、積載物のことにまで気が回らないかもしれません。

しかし、交通事故によって積載物が壊れた場合、その損害についても加害者に対して損害賠償請求できる可能性があります。

この記事では、積載物が壊れた場合、どのような損害であれば損害賠償請求が認められるかについてご説明していきます。

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交通事故によって破損したことを証明できれば請求可能

どのような積載物の損害であれば損害賠償請求できるのか…それは一言で説明するならば、
「一般人の社会通念から予見できる積載物」についての、「事故が原因の損害」です。

こうした損害については、修理費や事故直前の時価相当額(買ってからしばらく経つ中古品の場合は、購入価格からかなり減額されることが多いです)を請求できます。

とはいえ、この説明はかなり抽象的ですので、以下で詳しくみていきましょう。

まず、損害賠償請求の対象となるためには「交通事故が原因の損害」といえなければなりません。

つまり、交通事故によってその損害が生じたことを証明しなければならない、ということです。

例えば、交通事故前から壊れていた物や事故後に別の原因で壊れた物などについては、当然のことながら、加害者に対して損害を請求することはできません。

また、交通事故によって壊れたものであっても、直ちに申告せず、交通事故後長期間が経ってから「実は壊れていた」と主張すると、事故と損害との関係が疑わしくなり、損害賠償請求が困難となります。

事故にあったら積載物についてもなるべく早く確認し、保険会社に対して損害があったことを主張するのが大事なのです。

また、交通事故当時に車両に積載物があったことの証拠として写真を撮っておくなど、後々の請求に備えてできるだけ証拠を残しておきたいものです。

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一般人の社会通念から予見できるものかどうかが重要

次に、「一般人の社会通念から予見できる積載物」とはどういう意味なのでしょうか。

これは、「常識的に考えて、車両に載せているようなもの」ということです。
そうしたものであれば、交通事故にあった場合に壊れるであろうことが誰でも予測できるので、損害賠償の対象にしても不合理ではないとされているのです。

代表的なものとしては、カーナビやカーテレビ、チャイルドシート、などが挙げられます。
トラックであれば、荷台に積まれた輸送途中の食料品といったものも「一般人の社会通念から予見できる積載物」に含まれるといってよいでしょう。

身につけていた衣類や腕時計なども補償対象

また、「一般人の社会通念から予見できる積載物」であれば、車自体に装着するものだけではなく、被害者が身につけているものも対象となります。

例えば、コートやメガネ、腕時計、靴などはほとんどの運転手は身につけていると考えられるため、損害賠償請求の対象となりえます。

ただし、バイクでの交通事故でなく車の交通事故ですと、身につけていた物に損害が生じることはまれですので、立証は難しくなるでしょう。

高価な物が壊された場合は慰謝料を請求可能か

では反対に、「一般人の社会通念から予見できる積載物」に含まれないのはどういったものでしょうか。

これは、極端に高価な宝石類・骨董品や、積載量規制をオーバーして積まれたトラックの積み荷の規制超過分などが挙げられます。

例えば、中古の軽自動車のトランクに1億円相当の骨董品が積まれていて、これが事故のはずみで全て壊れてしまったとしましょう。
しかし、まさかそんなに高価なものを普通の車両に載せているなんて誰も考えないので、「常識的に考えて、車両に載せているようなもの」には当たらないでしょう。

こうしたものは、損害賠償請求の対象外となる可能性が高いでしょう。

高額な積載物でも損害賠償が認められるケースはある

しかし、もちろん、高額な積載物の損害について損害賠償請求が認められることもあります。

例えば、以下のような事例です。

  • 前方不注意による追突で大型トレーラーに積載されていた精密機器が損壊し、その損害賠償として1億1798万円の賠償額が認められた事例があります。
  • トラックに積んでいた呉服や毛皮といった高級品が事故で炎上し、その損害賠償として約1億3000万円の賠償額が認められた事例があります。

これらのケースでは、被害にあった車両の種類や事故の態様など様々な事情が考慮された結果として、高額の損害賠償が認定されました。

たしかにこうしたケースは稀ではありますが、高額な積載物が壊れても損害賠償請求できる可能性は0ではないということです。

積載物請求の判断は弁護士へ

いかがだったでしょうか?

積載物の損害賠償について説明してきましたが、どういった積載物のどういった損傷について損害賠償が請求できるのか、個別の事例において判断するのはとても難しいことです。

積載物の損害、特に高額なものについての損害賠償請求を考えている場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。ただ、高額な物は裁判による必要がある場合が多いと言えます。

また、先ほども触れましたが、車内に積載された様子の写真を撮っておく、修理代金の領収書を保管しておくなど、自分でもできるだけ証拠を残しておくよう努めるのが肝心です。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。