自賠責保険による仮渡金制度とは

自賠責保険による仮渡金制度とは

自賠責保険の仮渡金制度とは、交通事故による損害賠償の内容がはっきりする前に、仮に賠償金のいくらかを先渡ししてもらう制度のことです。

交通事故の被害に遭うと、さまざまな諸費用が発生します。

ケガを負っていれば、病院で治療を受ける必要があります。
治療を受けるに伴って、通院の場合は交通費、入院の場合は洗面道具などの入院雑費がかかります。

ご家族が死亡事故に遭われた際には、葬儀費用などがかさむこともあります。
仕事を休まなければならなくなると、その分の収入を得られず、生活が苦しくなることもあるでしょう。

そのような場合に、この仮渡金制度が役立ちます。このページでは仮渡金制度について具体的にご説明します。

交通事故被害者を救済する仮渡金制度

仮渡金という制度が「交通事故被害者を救済するための制度」とされる理由についてご説明します。

交通事故の損害賠償金の受取時期

確かに、交通事故で被害に遭ったら加害者に対して損害賠償請求ができますが、実際にお金を受け取ることができるのは、交通事故の後、数ヶ月以上経ってからであることが通常です。

何故なら、交通事故の発生から損害賠償金の受け取りまでは、おおむね次のような流れになるからです。

【交通事故発生から損害賠償金の受取まで】

  1. 交通事故後、症状固定まで入通院治療を継続しなければなりません。
  2. 症状固定後、後遺障害が残るようであれば、後遺障害の認定申請をします。
  3. 後遺障害の等級が認定された後、相手方と示談交渉を開始します。
  4. 話し合いが成立したら(示談成立)、ようやく損害賠償金を受け取ることができます。

しかし、このような長期間、何らの支払いも受けられないとすると、被害者はお金に困ってしまうおそれがあります。

損害賠償額の一部を仮渡しする制度

このような場合に備えて、自賠責保険の「仮渡金制度」があります。

損害の内容が確定して示談交渉が成立する前の段階で、先に損害賠償額の一部を支払ってもらい、当面の出費の足しにするのです。

仮渡金として支払いを受けた金額は、後日、最終的な損害賠償額が確定した際に差し引かれることになります。

交通事故に遭われた後、当面のお金に困ってしまった場合などには、この仮渡金制度を利用すれば、とりあえず支払いを受けられるので助かります。

仮渡金請求と本請求の関係

ここで一旦、「仮渡金請求」と「本請求」の関係を整理しましょう。

先ほどご説明したとおり、仮渡金制度を利用して仮渡金の請求をすることを「仮渡金請求」といいます。

仮渡金請求は、本請求を待っていられない場合に、早期に一部の支払いを受けさせることによって被害者を救済するための制度です。

例えば、下の図のようなイメージです(仮渡金20万円・確定額100万円の場合)。
仮渡金請求と本請求

仮渡金請求に必要な書類と手続き

交通事故被害者が、仮渡金の支払いを請求する際の必要書類と手続きの流れについてご説明します。

仮渡金の支払請求先

仮渡金の支払請求を行う先は、交通事故加害者(事故の相手方)の自賠責保険です。

被害者が‟直接”加害者の自賠責保険に請求をするので、仮渡金制度は「被害者請求」の一場面になります。

仮渡金の支払請求を行うには、まずは交通事故加害者の自賠責保険に連絡をして、被害者請求用の書類を取り寄せる必要があります。

自賠責保険の担当者に「仮渡金の請求をしたい」と伝えれば、自賠責保険会社から被害者請求用の書類一式を自宅宛に送ってもらうことができます。

仮渡金の支払請求時の必要書類

仮渡金の支払請求を行うには、以下のような書類が必要になります。

  • 自賠責保険から取り寄せた保険金(共済金)・損害賠償額・仮渡金支払請求書
  • 人身事故の交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 印鑑登録証明書
  • 医師による診断書
  • 死亡事故の場合、死亡診断書や戸籍謄本
  • 代理人が請求する場合、委任状

【注意事項】
自賠責保険から取り寄せた書類や事故発生状況報告書には、所定事項を記載して提出する必要があります。
なお、自賠責保険は人身事故の場合にしか支払われないので、物損事故の場合には仮渡金の請求はできません。

仮渡金の支払時期

これらの必要書類をそろえて自賠責保険に提出したら、特に問題がなければ、1週間前後で仮渡金の支払いを受けることができます。

損害賠償の本請求をした場合には、実際の受け取りまで1ヶ月程度かかることも多いので、それに比べると仮渡金制度における支払いはとても早いです。

仮渡金の支払い基準

交通事故の被害に遭っても、すべての交通事故に仮渡金が支払われるわけではありません。

また、それぞれの交通事故のケースに応じて支払われる仮渡金の金額も決まっていて、死亡の場合は290万円、傷害の場合は40万円・20万円・5万円の3段階があります。以下の具合例を参考にしてください。

【支払い基準の具体例】

  • 死亡事故の場合:死亡者1人につき290万円
  • 脊柱の骨折によって脊髄損傷が発生した場合:40万円
  • 太腿、下腿の骨折が起こった場合:40万円
  • 上腕や前腕骨折をして合併症がある場合:40万円
  • 内臓破裂して腹膜炎を起こすなど重大な傷害の場合:40万円
  • 脊柱を骨折した場合:20万円
  • 内臓破裂した場合:20万円
  • 上腕や前腕が骨折した場合:20万円
  • 加療11日以上の傷害を負った場合:5万円

以上のように、交通事故に遭った場合には、自賠責保険の仮渡金制度を利用すると助かることがあります。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴32年。交通事故取扱開始から18年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2020年末で累計1,808件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2021年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高制」で、交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。