交通事故の示談交渉中だが提示金額に納得できない場合

公開日:2018-09-04 |最終更新日:2022-05-26

弁護士やまケン

弁護士 山﨑 賢一(東京弁護士会所属)

1989年4月に弁護士登録。全国各地からご相談・ご依頼をいただき、年間ほぼ100件以上の交通事故事案を「完全成功報酬型」で解決に導いています。当コラムでは、交通事故の被害に遭われた方に役立つ基礎知識を共有できればと思っています。

交通事故の示談交渉中だが提示金額に納得できない場合どうするべきか

交通事故の被害者の中には、示談金の交渉を弁護士に依頼せず、加害者の任意保険会社と直接交渉される方もいらっしゃいます。

ただ、交通事故被害者ご自身の交渉で、任意保険会社が被害者を満足させるほどの示談金(損害賠償金)を提示するケースは「ほとんど無い」と言っていいでしょう。

ですから、ほとんどのケースで、交通事故の被害者は保険会社から提示された金額に不満を感じ、納得されておりません。

また、加害者の任意保険会社は、名の通った大企業の場合が多いですから、「これほどの大企業がいい加減な示談金を提示するはずがない。きっと適正な水準の示談金だろう」と思い込みがちです。

示談した後で調べてみると、適正な金額の5~6割程度にすぎなかったということもよくある話です。実際のところ(名の通った大企業であっても)保険会社が適正な水準の示談金を提示するケースは、ほとんどありません。

そこで、今回は、交通事故の被害者が弁護士に依頼せずに直接進めている示談交渉が難航し、納得できないときにどうしたらよいかについてお伝えします。

示談金の増額交渉はプロの弁護士に頼むべき

交通事故被害者が示談交渉を弁護士に依頼した場合、委任した弁護士は交通事故被害者の「最善の利益」のために活動します。

つまり、委任した弁護士は、交通事故の相手方(加害者)から支払ってもらう損害賠償金の金額をできる限り増額するために全力を尽くすということです。

したがって、交通事故被害者が適正な金額を受け取るための示談交渉を希望するのであれば、弁護士に示談交渉を依頼すべきでしょう。

弁護士に相談するのであれば、示談が成立する前に!やり直しはききません

示談は和解契約ですから、一旦示談を成立させると、契約当事者双方が和解契約に縛られることになり、やり直しをすることは原則としてできません。

ただし、示談成立時に契約当事者双方が想定していなかった新たな後遺障害が示談成立後に発生したときは、想定外の損害となり、それは和解契約の対象とはいえませんので、例外的に新たな損害分の追加請求をすることができます。

しかし、相場よりも安い金額で示談をしてしまったからやり直したいと考えても、示談金の金額をいくらにするかは、交通事故の和解契約の内容となりますので、和解契約の拘束力が及び、やり直すことは許されません。

「交通事故について、弁護士に相談するのであれば、示談前に」というのが鉄則となります。やり直しはききません。お気を付けください。

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弁護士が示談交渉するとどの程度増額できるのか

そもそも、示談交渉の段階には、

  1. 弁護士介入前
  2. 弁護士介入後提訴前
  3. 提訴後

の3段階に整理することができます。

①弁護士介入前とは

まず、弁護士介入前とは、交通事故の被害者本人が加害者の任意保険会社と直接交渉する段階です。
この段階では、被害者が得られる示談金は最も低額になります。

なぜなら、加害者の任意保険会社の担当者の目的は、自社が支払う示談金をできる限り少なくすることだからです。
もし自賠責保険金の範囲内で示談することができれば、任意保険会社は支払った示談金全額を自賠責保険から回収できますから、任意保険会社の負担額はゼロとなります。

ですから、任意保険会社の担当者が最初に試みるのは「自賠責保険の範囲内で示談できるかどうか」ということです。

交通事故の被害者が弁護士に依頼せず、自分自身で直接交渉するケースでは、加害者の任意保険会社から自賠責保険の範囲内の示談金を提示される可能性が高まります。
これがいわゆる「自賠責基準」と呼ばれるものです。

②弁護士介入後提訴前とは

次に、弁護士介入後提訴前とは、交通事故の被害者が弁護士に依頼した後、損害賠償請求訴訟を提起する前の段階のことです。

加害者の任意保険会社の担当者としても、被害者が弁護士に依頼した以上、もはや自賠責保険の範囲内での示談は不可能であることは分かっていますので、示談金の金額を上げてきます。

具体的には、弁護士は裁判基準による金額で任意保険会社に損害賠償を請求しますから、その8割から9割の金額での示談額を提示してきます(8割となるか9割となるかは弁護士の交渉能力次第です)。
裁判基準はあくまで裁判をしたときの基準ですから、10割での示談ということは非常にまれです。

いずれにしても、弁護士が交渉すれば、示談金は交通事故の被害者自身の交渉による金額よりも多額となることが、通常ということになります。
加害者の任意保険会社からの提示が自賠責基準であった場合は、弁護士交渉によって、示談金額が2倍以上に増額されることも珍しくありません。

③提訴後とは

最後に、提訴後とは、交通事故による損害賠償請求訴訟を提起した後の段階のことです。

弁護士が交渉して、加害者の任意保険会社が、まずまずの示談金の支払いに応じれば示談成立ということになるのですが、まれに非常に低額な示談金の提示しかされない場合があります。そのような場合は、訴訟を提起せざるを得ません。
もともと請求できる賠償金の金額が低額な場合など、採算がとれない場合を除き、訴訟を提起することとなります。

裁判となれば、賠償金の額は当然に裁判基準となります。
ただ、裁判による場合は、解決までに時間を要することと、別途裁判にかかる弁護士費用が発生するということを覚悟しなければなりません。
それでも、裁判するメリットがある場合に訴訟提起となるのです。

したがって、交通事故事件を受任した弁護士の基本的な処理手順は、

  1. 弁護士の受任通知を加害者の任意保険会社にFAXまたは郵送し、被害者への直接連絡を中止させる。
  2. 賠償金の金額を計算し、加害者の任意保険会社に提示する。
  3. その提示に基づき、加害者の任意保険会社と交渉する。

となります。

④妥結した場合

妥結した場合は示談し、妥結しなかった場合は、損害賠償請求訴訟を提起するという流れになります。

訴訟提起は、何の前触れもなく裁判所から加害者の自宅に訴状が届くと無意味な感情のこじれが発生するおそれがありますので、加害者の任意保険会社に訴訟提起を予告して行います。

当弁護士に依頼して損することはありません

これまでご説明したとおり、加害者の任意保険会社は、弁護士が介入すると、賠償基準を変えてきますから、ほとんどの場合、最終的な示談金額が上がります。

当弁護士の場合、完全出来高報酬制をとっており、報酬は増額した部分から頂きますので、当弁護士に依頼された場合、費用倒れとなることがありません。

さらに、交通事故の被害者がご自身の任意保険に弁護士費用特約を付けていれば、損害賠償額が非常に多額とならない限り、特約で弁護士費用をまかなえます。
損害賠償額が非常に多額となる場合でも、被害者ご自身の負担は、特約により大幅に軽減されます。

このような理由で、弁護士に依頼されたとしても、費用倒れとなることはありませんので、安心してご相談ください。

当事務所では、その後の受任(ご依頼)の有無に関係なく、弁護士による交通事故の相談を何度でも無料でお受けしています。

交通事故の被害に遭われたご本人やお身内の方との事務所での面談は、ご希望に応じて承っておりますが、電話・メールでの相談も受け付けておりますので、遠方にお住まいの方も、当事務所までお越しいただかずご依頼可能です。お気兼ねなくご連絡ください。

まずは無料相談を!24時間受付OK!

保険会社の書類にサインする前にぜひ一度
交通事故専門弁護士やまケン(山﨑賢一)にご相談ください。

※大変申し訳ございませんが、加害者側のご相談はお受けできません。



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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。