交差点での交通事故をいかに防ぐか

交差点での交通事故

やよい共同法律事務所の弁護士やまケンこと、山﨑賢一です。

皆さんは、道路の中で最も交通事故が起きやすい場所は、交差点であることをご存知でしょうか。

異なる方向の自動車が交差し、歩行者や自転車も道路を横切る場所ですから、このような結果となることは自然ともいえます。

信号の無い交差点を安全に通行するためには、一時停止と安全確認が欠かせません。一時停止の標識を無視して通行するドライバーもいますが、これは自ら交通事故を呼び込んでいるようなものです。

また信号機のある交差点の場合も、赤の点滅信号の場合は一時停止標識のある交差点と同様に、一時停止と安全確認が必要です。

このように、道路には一時停止と安全確認が必要な場所があります。
一時停止と安全確認の重要性も含めて、これから解説していきましょう。

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交通事故の多い交差点は?

横断歩道のある交差点

国土交通省は、全国の幹線道路(国道・都道府県道)の死傷事故率を定期的に算出しています。

この調査結果によると全体の20%の区間に死傷事故の69%が集中しているという結果が公表されています。

その中でも死亡事故の約半数は、交差点または交差点付近で発生しています。

交通事故の多い交差点の特徴

交通事故の多い交差点には、以下のような特徴があります。

  • 交通量の多い交差点
    それぞれの自動車の動きに注意が必要といえます。この時、人や自転車も多い場合はさらに注意が必要です。
  • 見通しが悪い交差点
    家の塀や建物があるためという場合もありますが、道路の植栽が原因の場合もあります。
  • 遠くにいる自動車が見えにくい交差点
    例えば、アップダウンの激しい地形や交差点の近くにカーブがあるような場合があげられます。

また、歩行者が子どもなど背の低い人の場合、左折時に見えづらい場合があります。
このようなときは、歩行者と衝突する可能性が高まります。

その他、生活道路の場合、見通しが良いと走行速度が高くなり、交通事故の原因になる場合があります。

生活道路でも意外と多い交通事故

国土交通省の調査によると、歩行中・自転車乗車中の死者数は、全交通事故死者数の約半数を占めています。

また、そのうち約半数は、自宅から500m以内の身近な道路で発生しています。

これにより、幹線道路だけでなく、生活道路での交通事故も多いことが分かるでしょう。

交差点で起こりやすい交通事故とは?

交差点で起こりやすい交通事故の代表例としては、以下のようなものがあります。

交通事故は見通しの悪い交差点で起きやすいといえますが、見通しの良い交差点でもドライバーが注意を怠れば、どの交差点でも交通事故が起きる可能性があります。

(1)交差点での一時不停止による出会い頭の交通事故

交差点は道路が交差する場所ですから、それぞれの方向から来るドライバーが皆「自分の方が優先」と思って走ると、自動車同士が衝突する交通事故となってしまいます。

特に見通しの悪い交差点では、交差点の左側や右側から来る自動車が見えません。

このような道路の場合は一時停止の標識や停止線によって自動車を止め、安全確認をさせることによって交通事故を防ぐ仕組みになっています。

従って、一時停止標識を無視して自動車を走行することは、出会い頭の交通事故を引き起こす主な原因となります。

(2)交差点等で飛び出してきた人をはねる交通事故

先に触れた国土交通省の調査により、日本では歩行者の交通事故が多くなっていますが、その中でも、高齢者の交通事故が多くなっています。

道路を通行する際は、周囲に注意を払うことは歩行者でも自動車でも同様です。

高齢者の場合は老化により、自動車の接近に気づかなかったり、うまくよけることができなくなったりします。

また、子どもにも注意が必要です。子どもは何かに夢中になりがちなため、自動車の接近に気づかないことがあります。

このような人を交通事故の被害者にしないためには、ドライバーが注意を払わなければなりません。

(3)右折時の交通事故

交差点の右折時は、最も交通事故が起きやすいケースといえるでしょう。

これから進行する方向の歩行者、対向する直進車それぞれと衝突する可能性があります。

短時間で対向車と歩行者両方に注意を払わなければなりませんので交通事故が起こりやすく、注意が必要といえます。

弁護士やまケンが解決!交通事故事例

一時停止と安全確認の必要性

交差点で一時停止や安全確認をすることは、安全運転を行う上で極めて重要です。

この点について、解説していきます。

一時停止標識や「止まれ」の意味

止まれの標識

交差点で一時停止標識や「止まれ」と書いた停止線がある場合は、その手前で一旦停止しなければなりません。

これは、自動車を停止させて周囲の安全を確認し、自動車を発進させても良い状態の確認ができてから自動車を進めよという意味です。

状況の確認をするためには2~3秒必要と言われています。

従って、一時停止の指示があるから儀式的に自動車を止めて、すぐに発進する行為は安全確認をしたとはいえません。

「自動車をこの交差点の先に進めても良いかという安全確認をするために、一時停止が必要。だから一時停止標識がある」ということを忘れないようにしてください。

信号機のある交差点でも一時停止が必要な場合があります

信号にはそれぞれ意味があり、以下の通りとなっています。

  • 青…進んでよい(進めという意味ではありません)
  • 黄…停止(黄色に変わった時に安全に停止できない時は進行可)
  • 赤…停止
  • 黄色の点滅…注意して進む
  • 赤色の点滅…一時停止し、安全を確認してから進行する

従って、信号機が赤色の点滅だった場合は、停止線で一時停止し安全確認をしてから発進しなければなりません。

安全確認をするために必要な一時停止

歩行中の高齢者

自動車で生活道路を走行する際には、交差点での一時停止は欠かせません。

住宅街では交差点がブロック塀などで囲まれている場合もあり、このような交差点では一時停止しないと右・左方向から自動車が来ているかどうかがわかりません。

徐行して通過しても交通事故は防げませんので、必ず停止し、安全を確認してから発進することが大切です。

また生活道路では、歩行者や自転車の飛び出しにも注意する必要があります。

特に交通事故の被害者となりやすいのは高齢者です。

耳が聞こえにくい等の老化により、周囲の変化に気づきにくく、素早い動作もしにくくなっています。

このため自動車の接近に気づかず、またよける等の対応もしにくくなり、交通事故につながります。

このような交通事故も交差点で起きやすいものです。

一時停止をし、安全確認を確実に行うことにより、交通事故を防ぐことができます。

交通事故を防ぐために「かもしれない運転」の励行を

ボールを追いかける子ども

交通事故を防ぐためには、何よりも「かもしれない運転」の励行が役立ちます。

車が来るかもしれない。車がスピードを落とさず走ってくるかもしれない。お年寄りがよけてくれないかもしれない。

その中でも、ボールが出てきたら子どもが走り込んでくるかもしれないということは、ご存知の方も多いでしょう。

このことを各交差点で励行しなければならないとしたら、自動車の運転は神経を使う作業になるかもしれません。

しかし、交通事故はどの交差点でも起こりえます。
「いつもなら誰もいないから大丈夫」「人がいなそうだから大丈夫」ということは、安全の根拠にはなりません。

面倒でも一時停止標識や停止線では必ず停止し、周囲の安全確認ができてから自動車を発進させましょう。

まとめ

ここまで、交差点は交通事故が起きやすいこと、一時停止と安全確認が必要ということを説明してきました。

まとめると、以下の通りとなります。

  • 交差点は、死亡者がいる交通事故の約半数を占めています
  • 交通事故は、幹線道路だけでなく生活道路でも起きています
  • 一時停止標識等がある場所は、一旦停止し周囲の状況を確認しないと危険な場所です
  • 一時停止標識等がある交差点では、安全確認を行うために停止する必要があります。儀式的に自動車を止めてすぐに発進する行為は、安全確認をしたとはいえません
  • 高齢者は特に事故に遭いやすいといえます。交通事故を防ぐためには、ドライバーも注意をしなければなりません

道路によっては、交差点ごとに一時停止しなければならない場合もあります。これは大変面倒ですが、安全には代えられません。

自らの交通事故によって被害者を死亡させたり、ケガを負わせたりすることは、誰も幸福にしません。

手間を惜しまず常に安全確認を行い、無事故で運転を続けてください。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。