ライドシェア利用中の交通事故対応は?

ライドシェア

やよい共同法律事務所の弁護士やまケンこと、山﨑賢一です。

近頃、注目されているライドシェアですが、交通事故発生時の対応を含め、利用者の安全を確保することが、旅客運送サービスにおいて最も優先されるべきことと言えるでしょう。

公共交通機関の少ない過疎地の住民や観光旅行者の移動手段を提供するサービスとして、その需要は高いものと思われますが、ライドシェア利用時に、交通事故が発生した場合は、どのような対応がなされるのでしょうか。

また、交通事故の相手方や乗客には、十分な補償がなされるのでしょうか。

今回は、日本におけるライドシェアの規制や状況について、ご紹介します。

弁護士が解説!ライドシェアとは

ライドシェアとは、一体どのようなサービスのことを指すのでしょうか。

多くの場合、自家用車の所有者(運転手)と、移動手段として車を利用したい乗客を結びつけるサービスを総称して「ライドシェア」と呼んでいるようです。

サービスを提供するライドシェア運営会社は自社で車両を保有せず、自家用車の所有者(運転手)個人と契約するのがライドシェアの基本型です。
契約・登録した運転手は、自分の空いた時間を利用し、有償で、依頼された利用者の送迎を行います。

運転手が利用者から支払いを受けた運賃のうち、約2割ほどが運営会社の収入となるケースが多いようですが、運営会社によって異なります。

ライドシェア利用手順の一例

ライドシェア運営会社によって、提供されるサービスの内容は違いますが、参考までに、おおまかな流れをご紹介します。

  1. お手持ちのスマートフォンに、ライドシェアのアプリをインストール
  2. アプリに氏名やクレジットカード情報を入力して利用者登録完了
  3. 送迎を依頼したいとき、登録済みのアプリにアクセス
  4. 画面の地図上に表示された車両の中から選択(運転手評価や見積りの確認可能)
  5. 送迎場所の指定、配車依頼
  6. 配車時間(目安)が表示され、指定した車両・運転手が迎えにくる
  7. 目的地到着後、登録済みのクレジットカードにて支払われ、領収書はメールで送付される
  8. 運転手の評価を行う

自家用車ライドシェアは白タク行為?

「白タク行為」とは、タクシーの営業資格のない運転手が、自家用車を用いて、有償で旅客運送サービスを提供することをいいます。

日本では、自家用車ライドシェアは白タク行為とみなされ、原則、認められておりません。

しかし、例外として、自家用車以外の移動手段がない過疎地(交通空白地域等)に限り、自家用車ライドシェアが認められた制度(2006年に創設された「自家用有償旅客運送制度」)があります。

その対象となる利用者の範囲は、制度が創設された当初は、地域住民等に限定されていましたが、2015年4月以降、一部の地域では観光客等の旅行者も認められています。
これは、住民や観光旅行者の不便を解消するための特例であることから、白タク行為には当たらないとされています。

ただし、この特例においても、民間企業による運営は禁止されており、国土交通大臣または事務・権限の移譲を受けた地方公共団体(例:2016年1月~横浜市に権限移譲)の長の登録を受けた市町村やNPO等が運営しています。

アプリを利用した配車サービス

アプリを利用した配車サービス提供について、日本での実施例をご紹介します。

①独占型… 単独、または家族や知人と同乗する場合

  • タクシーの営業資格あり(タクシー業者がアプリ提供):
    例えば、全国タクシー。あらかじめ決済情報を登録しておけば、ネットでの決済も可能。
  • タクシーの営業資格あり(ライドシェア運営会社がアプリ提供):
    例えば、Uber(ウーバー)。但し、東京都内一部の地域に限定されているほか、タクシー業者等と提携した配車のみで、本来の意味での自家用車ライドシェアとは言い難い。
  • タクシーの営業資格なし(ライドシェア運営会社がアプリ提供):
    日本では禁止。ただし、先述のとおり、過疎地(交通空白地域等)に限定して規制緩和あり。

②相乗り型… 他人(見ず知らずの人)と同乗する場合

  • タクシーの営業資格あり:
    実例なし。日本ではタクシー会社が利用者に相乗りをさせることはできず、タクシー車両を使用して運行する場合の法的根拠は「乗合バス」と同様。
  • タクシーの営業資格なし(ライドシェア運営会社が仲介/利用前に料金提示):
    日本では禁止
  • タクシーの営業資格なし(ライドシェア運営会社が仲介/利用後に実費の割り勘以下):
    例えば、Notteco(ノッテコ)

自家用車ライドシェアのメリット

Uber代表とする自家用車ライドシェアには、以下のメリットが挙げられます。

ライドシェアを利用するメリット

  • スマホアプリで配車できる
  • 事前(予約時)に、目的地の指定や料金の支払い等ができる
  • 運転手に対する評価システムが導入されているため、事前に運転手情報を確認したうえで、運転手を選ぶことができる
  • 公共の交通機関がなく、タクシーをなかなか拾えないエリアでも移動手段を確保できる
  • タクシーよりも運賃が安くなる可能性がある

そのほか、運転手側のメリットとしては、空いた時間に副業ができる等が挙げられます。

ライドシェア利用時の交通事故対応

ライドシェアのメリットとして、上記のとおり、利便性の高さや、運賃がリーズナブルになる可能性があること等が挙げられますが、やはり、旅客運送サービスにおいて、最も優先されるべきことは、利用者の安全を確保することでしょう。

それでは、ライドシェアを利用中に、交通事故が発生した場合は、どのような対応がなされるのでしょうか。

海外の自家用車ライドシェア運営会社の例を挙げると、交通事故に遭ったとき、運転手に支払能力がない場合でも、その交通事故の相手方や、ライドシェア利用者(乗客)に補償がなされるよう、ライドシェア運営会社の多くは、運転手に任意保険の加入を義務付けているようです。

また、通常、乗客の輸送を行っている間(具体的には、利用者による予約受付後、サービス終了までの間)は、ライドシェア運営会社負担で事業用の保険が適用され、交通事故発生時の補償に対応できるといったシステムになっているようです。

旅客運送サービスは、人の命に関わる行為です。
日本においても、民間企業運営の自家用車ライドシェアが認められた場合、個人間(運転手と利用者)だけでの責任問題とせず、交通事故発生時の補償内容をあらかじめ明確にし、利用者の安全が確保された仕組みを万全に備える必要があるでしょう。

ライドシェア車両の点検・整備

また、海外における自家用車ライドシェアでは、車両の整備不良による交通事故が少なくないようです。

自家用車とはいえ、旅客運送サービスを提供する車両なのですから、適切な点検・整備を徹底しなければなりません。

日本の場合、車検制度(自動車検査登録制度)があるので、車両の整備不良が問題となるケースが続出する可能性が低いものと考えられますが、例えば事業用自動車と同じく自動車検査証の有効期間を1年ごとにする等、より安全性を高めるための規制が必要となるでしょう。

タクシー業者からの反発や歓迎の声

2017年1月から、東京23区、東京都武蔵野市および三鷹市において、タクシーの初乗り料金が730円から410円に引き下げられました。
今回、料金引下げの裏側には、自家用車ライドシェア需要を抑制させるといった目的も秘めているのかもしれません。

MKタクシーは、互いに切磋琢磨していけばタクシー業界の活性化につながるとして歓迎しているそうです(現に、東京MKは、Uberに車両を長期的に貸し付ける等の業務提携を行っています)が、大半のタクシー会社は自家用車ライドシェアの普及に警戒を示しています。

なお、タクシー業界からの強い反発があることや、日本のタクシーは海外に比べてサービスの質が高いことを踏まえると、タクシーとライドシェアの料金差があまり無いようであれば、日本では海外のようには広く普及しないだろうとの見方もあります。

いずれにしても、自家用車ライドシェアに関する更なる規制緩和については、利用者の安全確保を最優先とした上で、今後、慎重に検討を重ねていく必要があるでしょう。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴32年。交通事故取扱開始から18年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2020年末で累計1,808件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2021年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高制」で、交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。