完全自動運転で交通事故を減らせる?

犬が自動車に乗っている

最近、話題となっている自動運転技術の開発ですが、「完全自動運転」が実現して広く普及すれば、交通事故件数の削減や、交通事故被害の軽減につながるのでしょうか?

自動運転技術の開発が急速に進むにつれて、交通事故案件を扱う弁護士のほか、各自動車メーカーや情報技術企業(IT企業)等においても、「完全自動運転」への関心がますます高まっています。

コンサルティング会社マッキンゼーの調査によれば、米国においては、自動運転が広く普及することで、交通事故を9割ほど減らせる可能性があるとのことです。

今回は、「完全自動運転」の豆知識についてお話ししようと思います。

交通事故発生の主な原因

交通事故が起こる原因のうち、その多くがヒューマンエラーによるものです。
ヒューマンエラーとは、人為的な過誤や失敗のことをいい、例えば、脇見運転などの前方不注意による交通事故が挙げられます。

今後、自動運転技術がより進化していけば、自動車運転における安全性が高まり、こうしたヒューマンエラーによる交通事故を未然に防ぐことが可能だと考えられています。

運転する負担が大幅に軽減されるため、近年多発している高齢者による運転事故(豆知識コラム「どう防ぐ?高齢者の運転について考えよう」参照)の削減にも期待できますし、また、足腰の弱い高齢者や、身体が不自由な方々の移動支援にもなるでしょう。

交通事故が起きにくい環境をつくる

人工知能による「完全自動運転」の実現、それも遠い話と思っていたところ、米国の運輸省は、自動運転車に関する初めての指針を発表しました。

その指針内容としては、人間が全く運転に関わらない完全な自動運転を容認する一方、安全性を確保するため、システムが故障した場合の対応や、サイバー攻撃の防止策など15の審査項目を設けているとのことです。

日本においては、2016年3月11日、内閣府の中央交通安全対策会議にて、「第10次交通安全基本計画」が発表されました。

この計画では、今後の交通事故の抑止を図るため、「交通事故が起きにくい環境づくり」を重点に置いたうえで、先端技術を積極的に活用する等の理念とともに、具体的な施策として

  • 自動走行技術等の開発・普及のための環境整備
  • 安全な自動走行の実現のための制度の在り方に関する調査研究

等が掲げられています。

つまり、日本政府が、自動運転技術を積極的に活用する旨を掲げる目的は、交通事故発生の削減・低減のためといえます。

「完全自動運転」が実現される日は、そう遠くないのかもしれませんね。

完全自動運転に関する研究

2016年12月、Google(グーグル)の関連会社「Waymo(ウェイモ)」と、自動車メーカーHonda(ホンダ)の子会社である本田技術研究所が、双方の技術を持ち寄り、人が全く運転に関与しない「完全自動運転」の実用化に向けた共同研究を始めると発表しました。

具体的には、Honda(ホンダ)の自動車に、Waymo(ウェイモ)が開発してきた自動運転向けのセンサーやソフトウェア、そして車載コンピューターなどを搭載するとのことです。

Honda(ホンダ)は、2020年頃に高速道路を自動で走る自動車の発売を目指しているそうです。

高速道路は、一般道路に比べると、運転中、目の前に歩行者が飛び出す等の危険は少なく、複雑な道路も少ないので、自動運転でも交通事故が発生する確率は低そうです。

それでも、いきなり高速道路を機械任せで走るなんて、ちょっとこわいですね。

自動運転のレベル

自動運転には、次のとおり、4つのレベルがあります。

  • Level 1 アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作のうち、いずれか1つを自動化
  • Level 2 上記のうち複数の操作を自動化
  • Level 3 緊急時のみ運転手が操作し、緊急時以外は自動化
  • Level 4 運転手は操作しない完全自動運転

これら4つのレベルは、日本政府や、米国の運輸省が定義したものです。

現在の法律で対応が可能なレベルは「Level 2」までですが、日本政府は、2020年を目途に「Level 3」、2025年を目途に「Level 4」の市場化を目指すとの目標を掲げています。

現在の道路交通法では

現在の道路交通法では、運転手が「ハンドルやブレーキなどの装置を確実に操作する」ことを前提に規定されています。
そのため、無人運転車が公道を走ることは想定されていないのです。

また、自動運転では、システムの誤動作やハッキングによる事故も想定されるので、人身事故が起きた時の、責任の所在も問題となります。

日本政府は、自動運転の課題を洗い出し、2017年中には必要な法整備をまとめる意向とのことです。

最後に

以上のとおり、完全自動運転が実現すれば、交通事故の削減や低減につながると考えられ、その研究や開発は着々と進められているようです。

ただ、いかなる場合にも、道路車線や標識、歩行者などを認識することができるのかという懸念もあり(特に、雨や雪の日は視界が悪くなります)、完全自動運転の実現には、インフラ整備のみならず、きわめて高度なセンサー技術も不可欠となります。

このように考えると、かなりハードルが高そうですね。

そして、システム上のトラブルが生じた場合における責任の所在については、今後、十分に検討を重ねる必要があるでしょう。

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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴32年。交通事故取扱開始から18年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2020年末で累計1,808件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2021年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高制」で、交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。